裸のバニー(5) アナルは許して

 近づけた唇から熱い息を、綾乃のアヌスに軽く吹きかける。細やかな菊の花びらが、きゅっと互いに寄り添った。その動きに、私の胸は妖しくときめいてしまう。唇を軽く触れ、二度三度ついばむように蕾の感触を楽しんでから、唾をたっぷりと乗せた舌を、蕾に押し当てた。
 
「ぅうっ……」
 押し殺した声が、綾乃の喉をこぼれた。考えようによっては、ここはヴァギナ以上に恥ずかしい場所だ。女としてのつつしみを感じさせる硬い蕾、その花弁のひとひらひとひらを、慈しむように舌を這わせてゆく一方で、右手の中指を陰唇の外を、前に向かって滑らせてゆく。
 
 触れるか触れないか、柔肌をかすめるその指先。ヴィナスの丘の先には、程よいまろみを帯びた白い下腹が続く。成熟した女である証であるこの曲線が、私には愛おしくて仕方がない。そこから手前に引いてきた指を、今度は陰核の両脇に添えた。綾乃のクリトリスは、まだ皮をかむった状態だ。
 
 一方で、唾液にまみれた私の舌は、さっきから綾乃の肛門を執拗に舐め続けている。必死に縮まろうとする蕾が、耐え切れずふっと緩む瞬間を捉えて、穴の奥へと進む。
 ほんの数ミリの深さだが、触れさせた経験のない部分への刺激に驚いたのか、ひだがきゅきゅっと収縮して、私の舌の先を締めつける。綾乃の尻穴の、なんとも甘美な感触。
 
「そこは、汚いところなの……」
 恥じらいのためか、綾乃の声はかすれている。
「あなたの体に、汚いところなんか、ある筈がない。ほら、こんなに奥だって舐められる」
 アナルから一度口を離してから、左手の指で尻たぼを大きく掻き広げ、あらわになった菊の花芯に改めて吸い付く。ひぃんと、綾乃の喉が鳴った。
 
 右手の指は、はじめは感じ取れないほど微かに、次第にはっきりと、周辺に振動を与え始めている。だが、陰核そのものにも肉の合わせ目にも、私は決して触れようとしない。
 綾乃ももどかしいのだろうか、頬に垂れてきた髪を耳に掛けると、両方のひじを曲げた。そのまま肩がカーペットにつくまで、上体を前に倒す。
 
 悩ましい色気を湛えた女尻が、誇らしげに突き上げられる。弓のように反った背中。淑女のたしなみなのか、女陰の周囲からアヌスにかけての陰毛は、綺麗に処理されていた。さえぎるもののない女の股間、その肉のあわいから立ち上る女の匂いは、さっきより心持ち強くなっているようでさえある。
 
 クリトリスの脇に押しつけた二本の指。その震えをやや強めながら、もう片方の指で陰唇を、ゆっくりと左右にくつろげた。濃いサーモンピンクの肉襞が、視界の中央に広がる。淫らな夢のようだ。
「ぁはぁっ……」
 綾乃は床に頬を擦りつけながら、あえかに吐息を漏らした。
 
 肉壷の中は、ねっとりとした透明な蜜で潤っている。
「もう、こんなに濡れてるんだ。ちょっと尻の穴を舐めただけなのに」
「いやぁ、そんなこと……」
 口を開けた陰唇を外側から舐め上げてやると、綾乃の尻がびくんと震えた。私はその間もずっと、クリ横の指の振動は絶やさない。
 
「あっ、ぁあっ……」
 抑えきれないあえぎが漏れる。女の急所には、まだ触れてもいないのに。突き出された尻が、恥じらいがちにグラインドを始めた。
「ぉっ、お願いだから……舐めて……」
 
 その言葉に応えて、今度は会陰部に舌を這わせてやる。
「いやっ……そこじゃない! あの……中を……」
 綾乃は何とかして、淫らな言葉を言わずに私を導こうとする。切なげな表情がたまらなく愛おしいが、そうはさせるものか。
 
「中って、こっちかな。さっきより深くだと、指になるけど」
 たっぷりの唾液を二度三度、真上から肛門に垂らしてから、陰唇を掻き広げている手の親指を、そこにあてがった。
 
「ぁん! 違うの。指でお尻は、いやぁ……」
「どうしてイヤなんだ。舐められて、こんなに濡らしたくせに」
 指を小刻みに震わせながら、ゆっくりと沈めてゆく。生ゴムのような肉が指を締めつけてくるのが、とても心地よい。
 
「痛いから、いやなの。お願い……だから、あの、前の方を舐めて」
「もし痛かったとしたら、そいつが下手だったってことだよ。それとも、しっかりほぐしてくれる愛情がなかったとか?」
 旦那は興味を示さないと言っていた。では、結婚前に付き合っていた男か? ただ、アヌスの硬さと綾乃の様子から、本当にまだ誰のものでもないらしい。
 
 親指は爪が隠れる辺りまでしか、まだ入れてはいない。一旦それを抜き、窪みに垂らした唾液を舌でまぶし込んでから、再び指をゆるゆると沈める。それを繰り返す間も、陰唇は大きく広げたまま。淫らな蜜は、さっきよりねっとりとしてきたようだ。
「ほら、これだけ唾を絡めたら、痛くないだろ? もうすぐ関節まで入る」
 
「いやっ、なんだか変な感じ……。お願い、アソコを……」
「どこ? わかるように言ってみて。ダンナには、いつも嫌らしい言葉でおねだりしてるんだろ?」
「そんなこと……あぁ、お願いだから、早くぅ……」
 
 肛門の周りは、もはや唾液まみれだ。指は第一関節まで埋まっている。
「この前、メールで言い方を教えたろ? どこを舐めて欲しい?」
「ぉ……お、ま……ぁあっ、あんな恥知らずな言い方、できない!」
「大丈夫。言えるさ。綾乃が今、バックリ広げられてる場所の名前だろ?」
 
 親指をゆっくりと尻の穴に出し入れしながら、優しく促す。拘束はしていない。彼女が本気でイヤならに、いつでも私の指から逃れることができる。それをしないのは、愛撫の仕方が間違っていない証拠だと思いたい。
 
「あっ……お、おま……ぉま○こを、な……舐めてください。ぁあっ……いやっ!」
 女の身にあるまじき、卑猥なおねだりの言葉。女性器の俗称を口にした恥じらいからか、床に伏せた綾乃の頬が桜色に閉まっているのが、薄暗い部屋の中でも私にはわかった。

 
 裸のバニー(6)に続きます……
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